生命保険相談と相続

遺産相続で大変なことは「どんな遺産があるのかわからず、相続税申告に時間と労力がかかる」「遺産の取り分で揉める」「既に亡くなっているお子さんがいる場合の代襲相続など、難しい問題が生じる」など、様々な問題があります。相続対策というのは「できるだけ多くの遺産を残したい」「相続税をできるだけ節税したい」ということも大事ですが、「揉め事を起こさない」ということも大切になのです。生命保険相談を考える方は「保険金を残す」ことだけではなく、遺産の全体について考える機会ととらえると、良いかもしれません。

たとえば「自宅・土地が主な財産なので、そこに住み続ける妻には、自宅・土地を残したい」「長男や次男などには、お金を渡す形にしたい」という場合には、生命保険を活用して、保険を見直して、その分のお金を確保することができます。

ただ、これらの遺産分割の方法について、ご家族で話し合い、納得して物事を進めなければ、思わぬ紛争が起こることがあります。「財産が少ないから、揉めることなんてない」と思っている人がいますが、財産の多寡は関係なく、揉め事が起こるご家族も多いのです。

また、生命保険金をご遺族に残す方法以外にも、預貯金という形で残す方法もあります。ただ、生命保険金には「相続人1人につき500万円までが非課税となる」というメリットがありますので、生命保険を相続対策に活用するのは良い方法です。注意が必要なのは「生命保険金として支払うお金は、自分の自由に使えるお金ではなくなる」という点で、預貯金を全く確保せずに、多額の生命保険をかけてしまうのも、良いことではありません。保険で相続を考えるときは保険の見直しも必要です。

預貯金として自由に使えるお金を残しておくことで、老後の生活で自由に使えるということもあります。病気などにかかった場合にも、預貯金として自由に使えるお金があると、安心ですよね。生命保険相談は、生命保険「だけ」の相談をするのではなく、「ご遺族が生活に困らないためには、どのくらいのお金があれば安心なのか」「そのうちどのくらいの金額を、生命保険で確保しておくべきなのか」という相続や遺産に関することを、全体的に相談するという考えが大事になるでしょう。

 



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